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世界おもしろ大百科+健康と美のストレッチコーナー

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 カスカモラスはスペイン南部アンダルシア州グラナダにあるバザ市とグアディクス市で、毎年9月6日から9日まで行われる祭りです。
 グアディクスからカスカモラスと呼ばれる道化師姿の者が、バザにある聖母像を奪うために3Km離れたバザの街へ旗を持って仲間とともに向かいます。
 強奪を阻止するためにバザの住人は自らを黒い油で汚し、さらにカスカモラスをも油やペンキで汚すことで撃退します。
この撃退は二日間続きますが、8日に仲直りのために一緒にミサが行われます。しかし9日に像を持って帰れなかったカスカモラスを、今度はグアディクスの住人が罰として油で汚すのです。
 このお祭りの起源は500年以上前にさかのぼります。バザでは1151年にイスラム王朝ムワッヒドの侵攻により多くのキリスト教会が壊されましたが、1490年に新たに教会が建てられることになりました。その作業員であったグアディクス出身のフアン・ペデルナルが、解体作業中に地中から聖母の彫刻を見つけたのです。
 ところが聖母像が元々あったバザと像を見つけたグアディクスとで、所有権をめぐり司法を巻き込む争いが起きました。
最終的に像はバザに安置されることになりましたが、フアン・ペデルナルとその友人の道化師が像を奪還するためにバザに乗り込んでいきました。この道化師が現在のカスカモラスのもとになっています。この時、バザ側が「もし彼らが教会に綺麗なままでたどり着いたら、像を連れていくだろう」と告げたので、そのためバザの住人は体を油やペンキで覆うことになりました。
結局フアン・ペデルナル達は手ぶらで帰ることになったので、怒ったグアディクスの住人により再びペンキまみれにされたそうです。
 現在、バザとグアディクスの両市は協力し、このカスカモラスの祭りがユネスコの無形文化遺産へ登録されることを目指しています。