「たねのローカリゼーション」のSeedおじさんです。
在来種という言葉を覚えていますか?ある地域で世代を超えて自家採種で継承されながら文化の一部にもなっている作物を「在来品種」や
「在来種」と呼びます。
富士宮市にも在来種が幾つか継承されています。その一つに白糸在来きゅうり「はんじろう」があります。富士宮市の北部、白糸地区で昔から繋がれているきゅうりです。実が若い頃は半分白い色をしているので
「はんじろう」と呼ばれています。全体的に少し黄色くなり始めた頃が食べ頃で、塩もみやヌカ漬け、軽く湯通しして醤油漬けにすると、風味豊かで食感も良く大変おいしいです。
朝霧診療所の山本先生主宰の富士山ホリスティック農学校で、試食とたね採りのプログラムを実施したのですが、黄色く熟し始めた「はんじろう」の皮を剥いた瞬間、教室中に爽やかで芳醇な香りが広がり、参加者から歓声が湧くほどでした。7月には全国の在来品種を調査研究されている山形大学の江頭先生が、農水省の在来品種データベースの構築プロジェクトで「はんじろう」の調査に来られました。Seedおじさんが
「はんじろう」に出会ったのは10年以上前のことですが、当時種を分け
ていただいた方のお宅を、今回江頭先生と一緒に訪問しました。
おじいちゃんは残念ながら亡くなっており、1人で暮らすおばあちゃんが「もう歳で、畑を耕すことなんかできないけど、このきゅうりだけは蒔けば元気に育ってくれるのよ。支柱も立てるのも無理だから、この木の下に蒔いているの。」と笑顔で庭先の菜園を案内してくれました。そこには元気に育つ「はんじろう」の姿が。「息子たちは他県で会社勤めだし、このきゅうりも私で最後かもしれないよ。」と少し寂しそうに「はんじろう」を見つめながら話してくれました。何か「はんじろう」がおばあちゃんに話しかけている様に見えました。おばあちゃんと「はんじろう」の繋がりに永遠の愛を感じたSeed おじさんなのでした。今でま農園の岩野さんの3人となってしまいましたが、絶滅させないように皆の想いと共に未来へ繋いでいきます。地域の宝である「はんじろう」は、この地域で「はんじろう」を繋いでいるのは、おばあちゃん、SeedおじさんSeedCafe/こだま農園の岩野さんの3人となってしまいましたが、絶滅させないように皆の想いと共に未来へ繋いでいきます。地域の宝である「はんじろう」、一緒にたねを繋ぎませんか?