ブルガリアというとヨーグルトの印象ですが、実は香水やアロマオイルに使われるローズオイルの主要な生産地の一つで、何とローズ製品の世界シェアの7割を占めています。
ブルガリア中部でバルカン山脈とスレドナ・ゴラ山脈に挟まれた一帯は、バラの谷と呼ばれていて200年以上に渡りバラが栽培され続けてきました。
世界に2万種以上あるというバラの中でも『ダマスクローズ』は最も香りが高いもので『バラの女王』とも呼ばれています。
ダマスクローズの花の収穫期である毎年5月中旬から6月上旬に、バラの谷周辺の村や地域で『バラ祭り』が行われます。
これはバラの収穫に感謝して行われるもので、1903年から始まったそうです。
近年のバラ祭りでは期間が約1ケ月間と長く行われ、バラ農園ごとの小規模な物から大規模なものまで様々なイベントが開催されます。
特にバラの谷の中央にあるスタラ・ザゴラ州の町カザンラク(カザンルク)のバラ祭りが最も盛大で人気があります。
カザンラクという名前は、香油を取るためにバラの花を蒸留するときに使う『銅の窯』という意味が由来だそうです。
カザンラクのバラ祭りは週末3日間行われます。金曜土曜はイタリア、トルコ、ギリシャ、ルーマニアなどの周辺諸国から舞踊団が集まり、それぞれの民族衣装や舞踊を披露します。
日曜は早朝から始まり、広大なバラ畑でバラ摘みの儀式(ローズピッキング)が行われます。有料ではありますが、観光客でも民族衣装の地元の人たちと混じってバラ摘みが出来るそうです。
午後はバラ祭りのクライマックスで、ダマスクローズをイメージしたドレス姿の『バラの女王』や民族衣装の人々がバラの花を撒きながら行進するパレードが行われます。
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