フェールウェメール送水路は、オランダのハルデルウェイクにあるフェルウェメア湖の上にある長さ25メートル、幅19メートルの航行可能な水道橋で、2002年に開通しました。
橋の下を通る道は、州道N302号線です。橋とN302号線が交わるところの水深は3mで、喫水(船体が水上にある時に船の沈んでいる深さ)が小さい船なら安全に航行し道路を通過できます。水路の両側には横断歩道もあります。
そもそもなぜ橋が水の下を渡っているのかというと、オランダは国土の四分の一が海抜0mの低地にあり、それが国名のNetherlands(ネーデルランド)、Nether(地下)の由来にもなっています。
もっとも海抜が低い所では、マイナス6.76mもあるそうです。オランダの海抜が低いのは、干拓によるものです。
オランダでは11世紀ごろから干拓事業を始め、海、湖、湿地を堤防で囲み水門から水を排水して干拓地を広げていきました。しかし水を排水することで地盤が沈み、周りの水面より低くなることで水が流れ込んできます。干拓地の維持のために、1612年に風の力で水を排水する風車が使われるようになりました。
この風車により干拓事業は加速し、11世紀に比べて国土が倍になったそうです。
オランダは現代でも常に排水をし続けないとなりませんが、排水方法も近代化したため風車の数は減っているそうで、その役割も製粉や観光の為と変わってきています。