■ 御嶽山噴火
長野県と岐阜県の県境にある御嶽山が9月27日、7年ぶりに噴火しました。今回は『水蒸気噴火』で小規模なものでしたが、なぜ犠牲者が多くなってしまったのでしょうか。それは、紅葉最盛期の土曜日の昼食時という条件が重なり、登山者が多かったからです。
現在、60名近くの犠牲者が出ており、自衛隊など550人体制で捜索活動が行われていますが、有毒ガスや大量の火山灰に加え、台風の影響で、捜索が難航しています。
これほど多くの犠牲者が出たのは、43名が犠牲になった平成3年の雲仙普賢岳以来です。
なお、全国で110の活火山があり、そのうち47は常時観測が必要で、中には観光地も含まれています。
■ 予知はできないのか?
噴火の予知は非常に難しく、今回は火山学上、噴火の規模が小さく気象庁や専門家は予知できませんでした。火山性微動や地殻変動などが噴火の兆候と判断されなかったのです。
よって気象庁は噴火警戒を『常時のレベル1』のままで、『火口周辺規制のレベル2』に変更しませんでした。その後、火山性地震の回数が減り、自治体も注意に留めました。
噴火後は『入山規制のレベル3』となっています。
■ 様々な影響
御嶽山は観光名所ですが、今回の噴火を受け、観光協会には『火山なのになぜ観光地化したのか』というクレームも入っており、宿泊施設やレジャー施設などには、大きなダメージになることが予想されます。また、農業関係者は、火山灰などが農作物に与える影響を懸念しています。
富士山は大丈夫?
噴火の予兆があるともいわれていますが、いつ起こるのかは予測不能。
関係機関が公開しているハザードマップや、災害予測図、避難所などをあらかじめ確認しておくことが重要です。