アメリカオレゴン州リンカーン郡のオレゴン海岸中央にあるパーペチュア岬の近くに、トールの井戸と呼ばれる場所があります。
トールとは北欧神話に出てくる雷神で、この穴は彼の持つ巨大なハンマーで作られたのだといわれています。
トールの井戸に打ち寄せる波が海水を噴き上げますが、その高さは1.8mにまで達することもあり、その後海水は急激に大穴に吸い込まれていきます。
実際には深さは約6mあるとはいえ海底に穴は開いておらず、満潮の時間が近づくと、海水が潮の流れと波の力で押し出され、その後反動で穴に海水が吸い込まれているように見えるのです。
トールの井戸は、6000年ほど前ネイティヴアメリカンたちが貝を採取したり貝塚として利用していたものが、波に飲み込まれ今の形になったと言われています。
他にも、元々海底洞窟であったところが、波の浸食により削られて屋根の部分に穴が開き、海の波が通り抜けるようになったのではないかとも言われています。