■ 沈む国『ツバル』

　皆さんは『ツバル』という国をご存知ですか?南太平洋に位置し、9つの島や環礁から形成されている、面積約26平方キロメートル、人口約1万人の小さな島国です。これは世界で４番目に小さく、２番目に人口の少ない国です。住民のほとんどが、首都のフナフチで暮らしているので、顔見知りが多く、観光客にも気さくに話しかけてくれる穏やかな島です。また、島の周りには綺麗な海が広がっており、ダイバーや写真家が憧れる島でもあります。しかし、海抜が最高で5mと低く、海面が上昇したり地盤沈下したりすると沈んでしまうという危機にあります。原因は地球温暖化と言われていますが、それよりも人為的な環境破壊の方が問題となっています。

■ 近代化が進むにつれて

　『世界で一番最初に沈む国』として注目されることにより、観光客が増えました。この観光客の受け入れや近代化のために都市整備を行うことで、サンゴが削られ地盤が弱くなっています。また、以前は自給自足の生活をしていたのでごみ焼却施設がありません。しかし、近代化が進むにつれ輸入に頼り始めたことでごみが増え、処理出来ない状態になっています。そのごみの山積みによって水質汚染が起こり、島の基盤であるサンゴが更にダメージを受けています。その結果、ツバルの環境はますます危機的状況に陥っていくのです。

■ 他国からの支援

　地球温暖化の原因は先進国にあるにもかかわらず、被害を受けるのはツバルなどの小さな国や発展途上国です。こうした国を救うためには先進国が責任を持って資金・技術力の面でサポートすることが重要となります。