■ 運命の出逢い!?
次の旅先をベリーズに決定し、一旦ハバナからカンクンに戻った。メキシコとベリーズの国境の町チェトゥマル行きの深夜バスチケットを買い、バスターミナルで待っていると、日本人宿で何度か話したことのある柏野君と遭遇した。何と柏野君もベリーズに行くということで、ひとまず一緒に旅することになった。この出来事は、後に僕の人生にとって最も大切な人との出会いに発展するのだが、この時は知るよしもなかった。
■ チェトゥマルでの再会
チェトゥマルに着き、腹ごしらえをした後、町を散策していると、キューバ空港で出会った直ちゃんに出くわした。直ちゃんもベリーズに行く途中らしく、3人で歩いて国境を渡った。ベリーズまでのバスで知り合ったベリーズ人が、「ベリーズに行くなら、キーカーカー島がオススメだ」と言うので、ベリーズに到着後すぐにキーカーカー島に向かった。
■ キーカーカー島
キーカーカー島は、カリブ海に浮かぶ小島で、沖には世界遺産のベリーズ・バリアリーフがある。ダイビングやシュノーケリングが人気で、エイと泳ぐツアーなどもある。釣りをしたり、海に潜ったり、のんびりとした時間が楽しめる。
■ 嫌われ者からヒーローへ
夕暮れ時になると、空き地でサッカーが始まる。島ではアジア人を「チーノ」と言って嫌う傾向があり、現地人にとって、僕の参加は快くはなかった。黒人の激しい当りや、パスすら回してもらえない状況の中、こぼれ球やドリブルカットで、すぐさま味方にパスを繋ぐスタイルに徹した。パスを繋ぐ僕のプレーが得点に結びつくようになり、個人プレーを得意とするチームが、パスを回すサッカーに変わっていった。同時に、僕への態度も好意的になった。味方のセンタリングを、僕がヒールでシュートというスーパーゴールを決めると、一躍ヒーローとなった。それ以来、逆境に落ち入ると、『嫌われ者からヒーローとなった夕暮れ時』を思い返すようになった。