地球に優しいエネルギーをつくる太陽光パネルがあと数年で寿命を迎え、その最終処分場が今の大きな問題となっています。
■ 太陽光パネル2030年問題とは?
太陽光発電は、太陽の力を活用することで電力を生み出す再生可能エネルギーです。石炭や石油などの枯渇資源を燃焼させる火力発電等と異なり、他国からの燃料輸入に依存しません。
そのため、エネルギー自給率の向上はもちろん、深刻化する気候変動問題、さらにはその影響を受ける生き物たちを守るための対策としても、重要な役割が期待されています。
2011年、東日本大震災によって発生した原発事故を受けた後、国内のエネルギー供給のあり方が見直され、だんだんと太陽光発電は増えてきました。
特に2012年に"電力会社が一定期間・一定価格で再生エネルギーを買い取ることを国が保証する制度(FIT制度)が制定されから、発電事業者がこぞって参入してきました。
しかし、このFIT制度の買取期間が20年間であり、その期間が終了し始めるのと同時に、太陽光パネルの耐用年数は20年~25年とされいます。そのため、震災後に急増したパネルは2030年代から徐々に大量廃棄が始まり、2040年前後にはピークの80万トンになるとの試算されているのが現状です。これが太陽光パネル2030年問題です。
■ 太陽光パネルの廃棄を巡る問題
太陽光発電事業は参入障壁が低く、多様な事業者が参入していますが、廃棄処理には高額なコストが伴うため、事業終了後に設備が放置されたり、不法投棄されたりするケースは少なくないといわれています。太陽光パネルは、有害物質である鉛やカドミウム、セレン等を含んでおり、人体や生態系に悪影響を及ぼすおそれがあるため、水漏れ防止設備を備えた管理型最終処分場で処分する必要があります。
しかし、太陽光発電の普及に伴い、廃棄されるパネルの量が急増すると、既存の管理型最終処分場だけでは不足する可能性が高いのです。土地の確保は必要ですが、同時に太陽光発電のリサイクル技術の開発や再利用の促進も求められます。
■ 捨てる責任
現在、環境省は太陽光パネルの「埋立」から「リサイクル」への転換を強く進めています。2026年4月には、政府は使用済みの太陽光パネルのリサイクルを義務づける法案を閣議決定しました。メガソーラーと呼ぶ大規模な太陽光発電の事業者にパネルの廃棄計画の提出を求めるもので、2030年代後半には中小事業者なども対象に加えることをめざします。
太陽光パネルからは、ガラスやアルミといった資源がとれるため、それらを有効活用し、最終処分場の延命をするのが目標です。
以前はパネルを破砕して埋め立てるだけの処理が主流でしたが、現在は高度なリサイクル技術が登場しています。
【主な手法】
◎加熱剥離法(熱分解法)
◎物理剥離法(ブラスト法・カッター法)
こういった技術を用いることで、リサイクル率90%以上を達成することも可能になってきました。
「捨てる責任」を全うしてこそ、真の再生可能エネルギー利用と言えるのです。

