こどもの人口が減少傾向にある中「発達障害」のこどもは増え続けている。通常学級に在籍する小中学生で、学習面又は行動面で著しい困難を示す小中学生の割合は8.8%。男女別では男子12.1%女子5.4%だ(2022年12月13日文部科学省発表)。これは、10年前に発達障害児が通常級の中に6.5%と発表された時以上に波紋を呼んでいる。この調査は、教育の現場にいる学級担任等の回答に基づく特別な教育的支援が必要な児童生徒の数値である。今、小中学生の教育には何が起こっているのだろうか。
■ 子どもたちの成育について様々な課題の背景の一つとして、体験不足ということが指摘されることがあります。
体験学習は、子供たちにとって良いもの、ということは皆さん漠然と感じていると思います。では、体験することはなぜ必要なことなのでしょうか?もちろん、体験することで、そのもののスキルを身に付けるという効果がありますが、実はそれ以上に重要なことがあります。
■ 例えば『火おこし体験』をあげれば、火をおこすスキルを身に付けるだけでなく、炎そのものの熱さを感じたり、危険だと怖さを感じたり、炎がもたらす揺らぎで癒しを感じたり、五感に働きかけるものがたくさん詰まっています。もしかしたら、体験を通じて火を起こすことができたという成功から自信がつき、積極性も養われるかもしれません。子どもたちの意欲や関心も広がりを見せます。もちろん他の体験学習もそうです。
■ 『小学生の頃に自然体験をよくしていた子供は、その後自尊感情や外向性が高くなる傾向がみられる』との結果報告が文部科学省から出ています。また、体験活動が苦手と思っている保護者の子供ほど、体験活動の機会が少ない傾向が見られ、体験活動の中でも『自然体験』は近年機会が減少しているとされています。ゲームやVRなどの疑似体験と直接体験では感動や驚き、そして自然と湧きおこる様々な疑問等、表れが大きく違ってきます。自分自身について考えることや、社会との関わりを考える機会も同時に与えられることもあります。
■ 経験の少ないお子さんたちにとって体験活動は、保護者や支援者が意図的に機会を作って増やしてあげることも重要なのです。
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