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昭和放水路【2012年1月号No.106】


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■ 昭和放水路

 富士市沼田新田にある昭和放水路は、湛水被害の防除と優良農地造成を目的として、昭和18年県営沼川沿岸排水幹線改良事業により整備された、延長約1㎞の水路です。この水路の上流にある浮島沼一帯は昔、全国でも有数な湿地帯として知られており、愛鷹山麓の川からの水が流れ込み、沼川を通って田子の浦港に流れ出ますが、標高差がないため排水が悪く、たびたび湛水被害が起こり、不毛の地とされていました。県道380号線に架かる広沼橋の近くには、ここに放水路を造ることを夢見た、江戸から明治時代の開拓者『増田平四郎』の像、記念碑、説明板が設置されています。
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■ 増田平四郎とスイホシ

 今から150年ほど前、原宿の増田平四郎は、浮島沼を干拓するために、放水路を造る計画を立案。韮山の代官所へ何回となく訴え続けました。初めて訴えを出してから20年後、ようやく代官所から許可をもらい、2年半かけて現在の昭和放水路と同じ場所に水干(すいほし)といわれる放水路を完成させたました。しかし、その年の高波によってあとかたもなく壊されてしまったのです。それから68年後、同じ場所に放水路が造られることになりました。それが現在の昭和放水路です。ついえたはずの平四郎の夢は、長い年月を隔てて実現し、浮島沼は、広大な農地となっています。