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東西文明の交差点『トルコ』【2016年7月号No.160】


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■ 再会

 ギリシャから、エーゲ海最大の古代都市『エフェス』に向かった。降り立った港では、宿の客引き達が出迎えてくれた。宿が決まっていなかった僕は、その中でも感じの良い姉さんと料金交渉をした末、宿泊を決定した。宿に着くと、思いがけない出来事に胸が高鳴った。そこには、クロアチアからボスニアまで一緒に旅をした沖田さんが泊まっていたのだ。こうして「あんただけには特別料金にしてやる」の言葉に引っ掛かった二人の日本人は、見知らぬ土地でめでたく再会を果たし、祝杯をあげた。調子の良い、インチキな姉さんに感謝しつつ…

■ エフェス遺跡

 エフェスは、紀元前11世紀にイオニア人(古代ギリシャ)によって建設されたギリシャ文明最大の遺跡で、古代世界七不思議の一つとしても数えられている『アルミテス神殿』を中心に発達した都市国家だ。自然の斜面を利用して造られた街は、登るに従い次々と予想外の景観を見せ、ドラマチックな驚きに包まれる。ヘレニズム・コリント・イオニア様式のレリーフやギリシャ文字の移り変わりなども見られ、発展は長期に及んだと見られている。ちなみに『エフェス』は遺跡の名前で、エフェスという町があるわけではない。観光拠点は、セルチュクという町になる。

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■ イスタンブール

この旅の最終目的地であるイスタンブール行きのチケットを片手に、深夜バスに乗った。イスタンブールは、地理的にもアジア・ヨーロッパ・中東を旅する旅人が交わる、唯一の場所と言える。バスを降りるとまず『ツリーオブライフ』という、世界でもトップクラスという、バックパッカーの間では有名な日本人宿に向かった。宿には多くの日本人達が滞在しており、滞在者は、当番制で食材を買いに行き『シェア飯』と呼ばれる夕飯を作る。皆での食事は、お互いの旅して来た国々での出来事や、失敗談などの話で盛り上がり、それが情報交換の場となっている。皆で歌を歌ったり、ゲームをしたりで、毎日毎晩、楽しい時が過ぎていく。
         次号につづく…

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