(有)アウターネットワークは静岡県富士市、富士宮市周辺地域の活性化を目指しています。   Outer-Network

記事一覧

「たねから見える私たちの未来」No11-248


2023-11

 今まで交配種(F1種)や固定種や在来種のお話をしてきましたので、たねにも色々あることがおわかりいただけたかと思います。

 今回からは、私たちの食がどのようなたねから出来ているかをさらに深く考える必要のある話をお伝えしていきます。

 皆さんは「ゲノム編集食品」という言葉を聞いたことがありますか?

「遺伝子組み換え食品」はよくご存知だと思います。除草剤を散布しても枯れない大豆やとうもろこし、虫が食べると死んでしまう殺虫成分を持つとうもろこし、が有名ですね。
日本には多くの遺伝子組み換え作物が輸入されています。多いのはコーン油、大豆油、菜種油などの食用油、しょうゆ、コーンスターチ、コーンシロップなどです。食品添加物にも姿を変えて私たちの食に浸透していますし、家畜の飼料としても多く使われています。

 ゲノム編集は、最新の遺伝子操作の技術です。従来の遺伝子組み換えとどこが違うかと言うと、ある生物に別の生物の遺伝子を組み込んでしまうのが遺伝子組み換え、ある生物内の遺伝子を改変してしまうのがゲノム編集です。安全性が不透明な技術ですが既に食品として国内で流通しています。
(食品としての流通は日本が世界に先んじています)

 現在流通しているのは、血圧上昇を抑える成分が増えるトマト、肉厚になるマダイ、成長が早まるトラフグの3種類です。これらは日本の大学発ベンチャー企業により厚生省が届出を受理して流通を始めています。そして今年の3月にはアメリカの種子大手企業による、もちもちとした食感を高めるトウモロコシが同省により届出を受理されました。粉末状のコーンスターチにして、食品の増粘剤などの添加物に使うそうです。最近では保存が長持ちするメロンが大学の研究で成功しています。健康に良さそう、早くたくさん食べることができる、長持ちするなど、一見私たちの食生活に潤いを与えてくれるようなものが続々と登場してきています。今後この流れはさらに加速していくことでしょう。なぜなら、これは日本という国の政策であり戦略でもあるからです。

 私たちの未来は一体どうなっていくのでしょうか、続きは次回。