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アジア横断『チベットツアー』【2014年9月号No.138】


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■ チベット

 アンナプルナで出逢った生涯の友「タケちゃん」とカトマンズで合流し、一緒に『チベットツアー』に行くことになった。カトマンズからラサまで、約一週間のバスの旅だ。
 チベットはヒマラヤ山脈の北側に広がる、平均海抜四千五百メートルの高原地帯で『世界の屋根』と言われている。つまり、その多くが富士山より高い所にある。かつてはラサを都とする独立国だったが、現在は中国の一部となっている。

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■ 悪路を走り続ける

 バスの旅と言うと聞こえはいいかもしれないが、そんなに甘いものではなかった。オンボロバスで、断崖絶壁の上の悪路をひた走る過酷な旅だ。しかし、この旅はタケちゃんと一緒だったため、アンナプルナで味わったような『絶望的な孤独感』はなかった。重要事項は、防寒対策と高山病対策といったところだろう。

■ バター茶の味

 標高五千メートルの峠は荒涼とした岩山が続く。遠くには、雪をかぶった山々がどこまでも続き、動くものはヤクしか見えない。さすがに呼吸は苦しいが、アンナプルナを経験したおかげで高山病にはならなかった。体の自由を奪う凍てつくような寒さの中、チベットの代表的な飲み物『バター茶』を口にすると、自然に笑顔がこぼれた。見上げると、空は恐ろしい程に青く澄み、雪山がすぐそこで輝いていた。

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■ エベレスト

 ネパールから見るエベレストの山形は鋭角だが、チベットからみる姿はもっと大きい。ヤムドック湖の湖畔を走り抜けると、終着地点のラサまであと少し。

■ ラサ

 チベットの中心都市であるラサは、千三百年の歴史を持つが、中国化政策により古い町並みはコンクリート化されつつあった。ラサに到着すると、長くて寒い一週間が、あっという間だったように思えてくるから不思議だ。うまく表現できないが、旅は、終着地点に辿り着くまでの道のりの中に多くのヒントが隠されていて、ゴールした時に答えが導きだされる…

※チベットツアーでは、寺院等の観光もしましたが、今回は割愛しました。