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オーストラリア『シドニーオリンピック』【2017年11月号No.176】


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■ 夢のオリンピック観戦

 少年の頃から、いつか生でオリンピックを観てみたいと思っていた。2000年、遂にそのチャンスが巡ってきた。従姉弟がワーキングホリデーでシドニーに住んでいたこともあり、シドニーオリンピックのサッカー観戦に的を絞ったプランを立てた。シドニーまでの直行便航空券は高かったこともあり、ブリスベンまでのチケットを入手した。

■ ビーチサッカー

 ブリスベンからシドニーまでは夜行バスを利用した。従姉弟は仕事で夕方まで迎えに来れないので、オペラハウスを始めとする観光名所を周った。オリンピックムード一色の街に、おのずと僕のテンションも上がり、興奮しっぱなしの観光となった。翌日、従姉弟とビーチに行くと地元民がサッカーをやっていたので、僕も試合に参加。意外な上手さにビックリした。余談になるが、よく「言葉も通じない旅先でどうやって地元民の草サッカーに参加するのか」との質問を受ける。どうやって?と言われても答えに困るが、大抵どこの国に行っても、草サッカーをやっている光景を目にする。そこで、近くに行って見ていると、自然にパスが回って来る。やがて別の人間が加わり、その繰り返しで人数が増えていく。大勢になれば、適当な場所をゴールに定め、2チームに分かれて試合へと発展していくのだ。

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■ オリンピックの贈り物

日本初戦会場のあるキャンベラまでのバスに乗り込むと、大半の座席を日本人が占めていた。当然同じ目的でバスを共にしているため、皆が親しくなるまでに時間は要しなかった。宿を同じくした仲間と、シーツで日の丸を作り、寄せ書きをして試合観戦に臨んだ。会場入りの際、選手達が間近を通り抜けると割れんばかりの歓声が上がった。芸能人も多数観戦に来ており、記念撮影にも快く応じてくれた。試合が終わると毎回、近くの公園でサッカーをしたり、打ち上げをしたりして盛り上がった。快進撃を続けた日本は決勝リーグに進んだが、時間もお金も底を着いてしまった僕は、苦渋の決断で日本に帰国。夢にまで見たオリンピック観戦は、生涯の友をプレゼントしてくれた。

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