かになってきたのですね。穫もバラバラになるという、生き物としては自然な特性なのだけれども、農家さんにとっては都合が悪くなってしまったわけです。現代農業では生産性と効率性が求められるので、そのなかで生き残ることが難しくなってしまったのです。しかし、在来種や固定種には、交配種には無い魅力や、私たちに大切なことを教えてくれる何かがあるのです。(次回へ続く)
家系図を辿ると、少なくとも130年は繋がれているとの話でした。「一人娘は食べに来るだけで畑は継がないから、私たちでこのインゲンも終わりだよ。」その言葉にはどこか、現代人が失ってしまった心を寂しく思うような響きがありました。大切に未来へ繋ぐことを約束して一握りのたねを分けて頂きました。そのたねを「100年インゲン」と名付け、たねを繋いで毎年増やしました。今では学校の授業で子どもたちと繋いだり、たねの交換会で交換して繋げて頂ける方を増やしたりしています。
在来種はその地域の気候風土を記憶して、より強く美味しくなっていきます。100年インゲンは富士山麓地域の気候にとても合っていて元気に育ってくれます。大きめの鞘になり、若鞘を素揚げや炒め物にするととても美味しいです。
富士宮市淀師のSeedCafeにあるシードバンクの拠点にもたねを置いていますから、あなたも未来へ繋いでみませんか?
他にもストーリーのある在来種がありますが、続きは次回。