■ 概要

　神道天照教は、島津久光、西郷隆盛など、歴史上の人物とも親交が深く、桜田門外の変にも関わった徳田寛豊が開祖となって建設されたもので、開設当時は信者数も数万人、旅館・風呂屋・豆腐屋などが軒を並べるほど栄えていたそうです。現在は、四代目となる徳田賢一郎氏が神官を務めています。
　
■ 桜の名所

　境内には、明治維新政府の重鎮であった西郷従道や政商高島嘉右衛門、さらに清水の次郎長や開祖徳田寛豊手植えの桜があり、樹齢百年余りある多くの桜は県内唯一のものです。（五月初旬開花）

■ 高山植物

　標高一千メートルに位置する天照教付近には、珍しい高山植物などが自生しています。取材時には、境内の林の中にアズマイチゲが咲き誇っていました。

■ 人魚のミイラ

　天照教本社には、日本最大にして最古である『人魚のミイラ』が現存しています。人魚と聞くと女性をイメージしますが、この人魚は、身長約一七〇㎝、五十六歳の男性という人間からの変体であり、その由来は今から千三百年前に遡ります。真偽は別として、多くの書籍等でも取り上げられている非常に珍しいものですので、一度は拝観しておくと良いでしょう。