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滝ノ上の不動さん【2010年12月号No.93】


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■ 杉田用水水源地

 雨水に頼る生活をしている檀家の人々のために、恩知養宗和尚(安養寺住職)は、安養寺から五百メートルほど離れた不動堂の近くの湧き水から水を引く、用水路開削計画を立てた。一八六一年に工事開始、最初は寺山の木を売って人夫を雇い工事を進めたが、その財源もなくなり、和尚一人で掘り進めた。地元の人々からは、乞食坊主・気違い坊主と罵られ、それでも苦労の末、ついに隧道を完成させたのです。杉田用水は水量が少なく、灌漑用水には不向きでしたが、杉田から久沢新田にかけての百戸余りの生活用水として、戦後まで利用されていました。


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■ 滝ノ上の不動さん

 かつて、ここには安養寺末寺の龍泉寺の龍泉寺不動堂があったと言われ、釈迦如来や六観音・地蔵菩薩などの石仏と、恩知養宗和尚の顕彰碑があり、奥の岩屋の中には不動尊が祀られています。この辺りを滝ノ上というので『滝ノ上の不動さん』として親しまれています。


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■ 安養寺


 約五百メートル南方には、安養寺があります。安養寺は、狸寺として有名な曹洞宗の古刹です。狸和尚が乗っていたとされる篭もありますので、合わせて見学することをお勧めします。

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