■ 天拝の祖師のお像

　富士宮市野中にある妙覺山大泉寺は、富士山にとても関わりが深いお寺で、神仏習合の慣習があった江戸時代まで、五合五尺に高祖堂と一合目付近に女人堂を有し、その管理をしていました。明治維新後、神仏分離令が出され、廃仏毀釈により、富士山にあった仏教的なものは、全て火口や沢に投げ捨てられましたが、高祖堂に祀られていた日蓮聖人の像『天拝の祖師』は唯一難を逃れ、大泉寺に移されました。そして、現在も位牌堂の一番奥正面に大切に祀られています。また、お堂前に建立されていた題目宝塔は、お像でなかったためか、1トン以上もある大きなものであったからか、当時の政府も手をつけず、今もなお、富士山の高祖堂跡に残っています。

■ 御会式

　日蓮聖人入滅の地である東京都大田区にある池上本門寺では、毎年10月12日の日蓮聖人の命日に御会式万灯行列が行われます。この催しは、昔から江戸の名物として約40万人の参拝客で賑わっており、太鼓と鐘によるお囃子と、纏衆による振り纏、そして万灯との行列によって日蓮聖人に報恩感謝を行うとともに、勇壮な練り供養を通じて、生きてゆく元気を頂くお祭りです。大泉寺では『地域の人々が入りやすく親しみやすいお寺』を目指しており、副住職の遠藤是真氏を中心に万灯講が結成され、昨年からは、池上本門寺と同様に、御会式万灯行列を行うようになりました。勇壮、豪快な纏衆の振り纏を見て、生きるパワーを感じて下さい。