■ アフリカの食糧事情
アフリカ53カ国の全人口は、約11億1100万人です。その約8割が農業従事者で、農業が国のGDPシェアの20%以上を占めている国が、30カ国にも上ります。にも関わらず、アフリカの飢餓人口は増加の一途をたどり、現在ではなんと、3人に1人が飢餓に苦しんでいるのです。
飢餓の主な原因として、干ばつなどの天候不良や、非効率な伝統農法による生産性の悪さが挙げられます。先進国の多くはこれまでも、食糧や資金・機械などの支援を続けて来ましたが、これらの支援は、安定した食糧確保と生活の向上のための根本的な解決には繋がっていないと言わざるを得ません。
■ 農業バリューチェーン
近年では『農業バリューチェーン』と呼ばれる、品種改良・肥料・農業機械の導入・加工技術などのノウハウを教えるという、根本的な支援に対する取り組みが進められています。農業バリューチェーンにより『生産→加工・貯蔵→販売』の流れが構築でき、現金収入が生まれ、農地の拡大、肥料や機械への投資、子供への教育強化などにも繋がると期待されていますが、これらの実現には、政治的安定や女性の社会参画、汚職防止などの課題もあり、安定的な食糧確保とともに重視されています。
日本では、年間5.5万トンの食糧を輸入しながら、途上国の5000万人の年間食糧に値する、1.8万トンを捨てています。世界中で困窮している人たちが自立できるための支援が必要であると同時に、飽食や必要以上の消費をしている私たちの生活を見直すことも重要です。
アフリカの食糧生産力の低さ
● 先進国と比べ、アフリカの食糧生産力は異常に低い。先進国では「食品ロス」といった飽食問題があり、食糧供給バランスが偏っている。