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村山浅間神社【2013年8月号No.125】


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 富士宮市村山に、ひっそりとたたずむ浅間神社。ここはかつて、富士山で最も古い登山道『村山口』があり、富士山信仰と富士登山の中心であった。神仏習合の姿をとどめる境内には、県指定天然記念物の大スギと大イチョウがあり、樹齢五百年と言われる大スギは、幹周九・九m、樹高四十七mの巨木で、村山浅間神社の御神木となっています。また、かつての登山者が身を清めた水垢離(みずごり)場や護摩壇など、当時の面影も残っています。
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 浅間神社と言ったら、多くの人が『木花咲耶姫(このはなさくやひめ)』を思い浮かべると思いますが、浅間神社は本来『浅間大神(あさまのおおかみ)』という火山の神を祀る神社でした。平安時代末期、富士修験を開いた末代上人の修行中にしばしば『浅間大菩薩』が出現し、上人はこの浅間大菩薩と浅間大神は同一であるとの悟りを得たのだそうです。その菩薩が『木花咲耶姫』であるとの思想が出現し、富士山と木花咲耶姫が結びといたとのことです。
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 最古の登山道があった村山口は、一九〇六年、大宮新道開通により、廃道となってしまいました。しかし、村山を中心とする市民ボランティアの活動により、廃道から約百年を経た村山口からの登山が可能となったのです。登頂のみを目的とした近年の富士登山ではなく、歴史・文化・自然を味わえる、村山口からのスローな登山にこそ価値があるのかもしれません。
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村山口からの登山は、必ず
経験者同伴で行って下さい。