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アジア横断『アンナプルナ(ネパール)』【2014年8月号No.137】


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 ■ ネパールとヒマラヤ

 タイで格安航空券を買いネパールの首都『カトマンズ』へ入った。かたことの日本語を話す客引きについてホテルへ向う。彼は「ネパールに来たのだからヒマラヤに登るべきだ」としきりに勧めるので、一人のガイドを紹介してもらい、次の日から二週間のアンナプルナトレッキングに出ることになった。

■ アンナプルナ

 アンナプルナは、ヒマラヤ山脈に属する山郡の総称で、第1峰は世界第10位の高さを誇る。登山家からは世界で最も危険な山として恐れられている。登山経験のない僕は、初心者でも行けるトレッキングコースを選択し意気揚々と出かけた。

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■ ネパール定食

 山小屋では、ネパールの代表的な家庭料理『ダルバート』が出される。米に豆と野菜のスープをかけて食べるのだが、これが最悪にマズイ。しかし、日を重ねるごとにダルバートが美味しく食べられるようになっていくから不思議だ。

■ 悲劇

 楽しいはずのトレッキングは、山を登る足音だけが鳴り響くさみしいものだった。山小屋では顔なじみのガイド同士が毎晩賭けに夢中になっているが、僕が輪の中に入る隙さえない。後悔しても、既に帰るわけにはいかない所まで来ている。言いようのない孤独と絶望感が僕をおそった。

■ 出逢い

 孤独と絶望感を乗り越え食事にも慣れてきた頃、生涯の友となる一人の日本人と出逢い途中まで一緒に登ることとなった。最悪であったはずのアンナプルナトレッキングが至福の時に一転し、見るもの全てが美しく見え、最高の気分で登頂することができた。

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■ バスに揺られて

 下山すると、バスが定員オーバー、仕方なく荷台に乗った。込み上げてくる感情とウォークマンから流れる音楽とが重なり、いろいろな出来事を思い返しながら未来を夢みた。荷台の上の風を切りながら…