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 クリケットはイギリスの国技で、野球の原型と言われているスポーツです。日本ではあまりなじみがありませんが、世界の野球の競技人口3500万人に対して、クリケットは3億人もいます。かつて1900年のパリオリンピックでのみ競技が行われたことがありましたが、2028年のロサンゼルスオリンピックで128年ぶりに実施されることが決定しました。

 クリケットの起源は諸説ありますが、13世紀に羊飼いの遊びとして始まったとされています。羊飼いの使用する棒状のスティックで、投げ込まれる石から味方のゲートを守ったことから、遊戯として市民に広がり始めました。

 17世紀以降、イギリスが全世界に領土を広げた事に伴い、オーストラリア、インド、南アフリカなど、全イギリス植民地に広がっていきました。18世紀前半には、クリケットのクラブが誕生し、貴族や富裕層に広まっていきました。クリケットは、「紳士のスポーツ」と呼ばれ愛されていますが、そのことからcricketにはフェアプレイという意味もあります。

 1744年には記録に残っている最初のルール集がみられますが、その後ルールは改変されました。ルールが制定されたのは1835年です。スポーツのルールは改変が繰り返されますが、クリケットのルール改正はたったの4回だけです。

 クリケットのルールは、攻守に分かれて、投手が投げたボールを打者が打ちます。野球と違うのは、投手は投手と打者の後ろにあるウィケットと呼ばれる3本の棒を倒すこと、打者は倒されないように守るために打ちます。

 打者は二人一組で打者と走者に分かれており、ボールを打ったら走者は打者の、打者は走者の方に向かって走ります。ボールが戻ってくる前にウィケットにたどり着けば1点、往復できたら2点入ります。

 ウィケットが倒されたり、打球をノーバウンドで取られたらアウトです。アウトにならない限り打者は何度もボールを打てます。10アウトで攻守交代です。

 クリケットはなかなかアウトになりにくいので、伝統的なルールの試合だと五日間にわたることもあり、二時間に1回ティータイムが設けられます。現在では短時間で勝敗を決める三時間の試合が主流となっています。

 日本では明治維新後にイギリス海軍から伝わり、1898年に日本最初のクリケットクラブが出来ましたが、諸外国ほど伝わりませんでした。

 しかし現在、栃木県佐野市を筆頭に東京都昭島市や千葉県山武市が「クリケットのまち」として街を挙げての普及活動を行っており、関東から全国へとクリケットの輪が広まっています。
東海でのクリケットの中心地は静岡県富士市でその歴史は20年もあり、富士川緑地公園内に二つの人工芝のピッチがあります。