■ 悪魔の兵器
地雷の恐ろしさを知っていますか?
戦争で使われた対人地雷は今なお残されたままになっており、地雷を原因とする事故が世界の約90カ国で発生し、多くの人が地雷の被害に遭っているのです。被害者数は年間で約2万人と推定され、被害者の9割は非戦闘員、4人に1人は子どもという悲惨な現状があります。その状況を生み出している地雷は、残虐性・残存性・無差別性という3つの特徴を持つ事から『悪魔の兵器』とも呼ばれ、その種類は300種類以上にも及びます。手足を奪うものから命まで奪うものまであり、地雷埋設地域の人々の生活に恐怖を与え、苦しめているのです。
■ 復興と開発の障害
地雷は敵方の経済活動を破壊するという目的があり、農作物がたくさん採れる田畑や山林、人々が集う広場等に多く埋められています。その為その地域の復興と開発の大きな妨げとなっているのです。
■ 地雷撲滅へ向けて
地雷は、もはや国家間の戦略や防衛上の問題ではなく、人々の生活に関わる緊急度の高い人道問題として考えられています。1997年に対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)が成立。日本を含め153カ国が締結しており、対人地雷の使用、開発、生産、貯蔵、保有、移譲などを禁止。また締約国は、この条約で禁止されている活動について他国を援助、勧誘、奨励することを禁止しています。一日でも早く地雷が撤去され、子どもたちが安心して駆けまわれる日が来る事を願います。