(有)アウターネットワークは静岡県富士市、富士宮市周辺地域の活性化を目指しています。   Outer-Network

記事一覧

世界おもしろ大百科+健康と美のストレッチコーナー


ファイル 2055-1.jpg

 サンタクロースのモデルは4世紀頃トルコにいた聖人、聖ニコラスです。オランダ語では「シンタクラース」と呼ばれます。彼は三人の娘を身売りすることになった家族を知り、夜中にその家の窓から金貨を投げ入れました。金貨は暖炉に干してあった靴下に入り、家族は身売りを免れたというものです。欧州では聖ニコラスの祭日である12月6日が、クリスマスとは別に子供に贈り物を渡す日となっています。しかし、欧州各地ではキリスト教の広まる以前から、クリスマスの時期に贈り物を運ぶ人がいました。
 そもそもクリスマスの起源は古代ローマの太陽信仰であるミトラ教(冬至に太陽の復活を祝った)や北欧ゲルマン民族の冬至の祭り「ユール」などがキリスト教に組み込まれたものです。ユールでは北欧神話の主神オーディンにビールや猪、豚を捧げました。オーディンは、空を駆ける八本足の馬スレイプニルに乗る白く長いひげの老人です。子供たちはスレイプニルのためにブーツを暖炉のそばに置き、中に干し草と砂糖を入れました。オーディンはその見返りとして、子供たちに贈り物を置いていったのです。

 北欧各国の伝説にはトムテやニッセ、トントゥといった赤い帽子と木靴を履いた妖精がいました。彼らは人間には見えませんが、家畜の世話や家事をする守り神のような存在でした。
冬至が近づくと、人々は彼らに一年間の感謝を込めてバター入りミルク粥を一皿捧げます。これを忘れると彼らは怒って家を出て行ったり、逆に家に被害を与えるのだそうです。キリスト教が広まるとこうした習慣は廃れてしまいましたが、今ではアメリカのサンタの影響を受けてスウェーデンではサンタと同等であったり他国でもサンタの助手として物語などに登場します。サンタの助手はこうした妖精だけではありません。ドイツではクネヒト・ループレヒト、オーストリアではクランプス、フランスではペール・フタールと呼ばれる同伴者がいます。クネヒト・ループレヒトは長い髭をもち、とがったフードが付いた黒または茶色のローブを着ています。他に毛皮を着ていたり藁で身を覆った姿もあるそうです。クランプスは元は中欧に古くから伝わる怪物で、毛むくじゃらで長いツノと鋭い牙が生えた悪魔のような姿をしています。ペール・フタールは二つが合わさったような姿です。彼らは聖ニコラスと一緒に行動し、悪い行いの子供に罰を与えます。子供に鞭を振るいながら警告を与えおびえさせる、日本で言うなまはげと同じような存在です。

 聖ニコラスは良い行いの子供にチョコレートやクルミ、ドライフルーツの贈り物を渡します。しかし彼らは悪い子供に石炭やジャガイモ、動物の内臓を与えるのです。そこから黒いサンタとも呼ばれ、赤いサンタとは双子であるとされています。
悪い事をした子供を戒める存在のサンタの同伴者がいないのは、アメリカと日本だけだそうです。