■ スロベニア

　ベネチアからスロベニアを経由してクロアチアに向かう事にした。スロベニアの首都リュブリャーナは、人口三十万人弱の小さな街で、観光は半日程度あれば充分だ。とても美しい国だが、時間を持て余してしまうほど何もない。

■ ザグレブ

　スロベニアに続いて、旧ユーゴスラビアから独立したクロアチアの首都は、ザグレブ。サッカー選手の『カズ』がいたこともあり、街を歩くと、多くの人に「カズ！」と声をかけられた。街のシンボルとも言える『ザグレブ大聖堂』の尖塔の高さは百メートル以上あり、その大きさに圧倒される。もう一つの見どころ『聖マルコ教会』は、美しいモザイク屋根が特徴で、クロアチア王国・ザグレブ市・スラヴォニア地方の紋章が施されている。博物館も多くあるので、時間に余裕のある方は、片っ端から見て行くと良いだろう。どの建物も簡素だが異様に大きく、社会主義国のなごりを感じさせる。

■ ドブロブニク

　宮崎駿アニメ『魔女の宅急便』の舞台としても知られるドブロブニクは、『アドリア海の真珠』とたたえられる美しい古都。海の青さとオレンジ色の屋根のコントラストは、眩いばかりの美しさだ。白い大理石が敷き詰められた街のメインストリート、ブラッツァ通りは、ヨーロッパの洗練された香りが漂う。つきあたりにはルジャ広場、さらに歩くとボートが並ぶ旧港が見えてくる。旧市街を取り囲む全長二キロの城壁は遊歩道となっており、城壁一周めぐりは、絶対外せないポイントの一つだ。城壁上では、地上からだと大きすぎてカメラにおさまらないパノラマ風景を上から見下ろすことができるため、写真スポットが満載だ。オレンジ屋根のかわいい町並みの隙間には、洗濯物が干されていて、生活感溢れる光景が愛くるしさを増している。町が一望できるミンチェタ要塞は、ドブロブニクで一番の絶景スポット。旧市街自体はそんなに広くないので、地図を見なくても大体の位置関係はわかる。小道や裏路地を気ままに歩くのも旅の醍醐味だ。