白糸滝は、全国でもメジャーな名滝ですが、地元でも超マイナーな名滝があることをご存知ですか（私は知らなかった）。その名滝は、人呼んで『朝日滝』。白糸滝から車で約五分の場所にあるにもかかわらず、観光客すら見当たらない超穴場です。朝日滝は熊久保農村公園内にあり、落差が二十メートルもある立派な滝です。お土産屋さんこそありませんが、駐車場はもちろん、トイレも完備されています。滝は、手入れの行き届いた公園の奥にあり、長い石段の上のお堂と融合された風情は見事としか言いようがありません。お堂からの小道の先には滝見台があり、滝を間近に見ることができます。滝見台から見える農村を見ていると何ともノスタルジックな気分にかられます。

　富士宮市の隠れた名所の一つとして認定しても良いくらいの朝日滝。由来は、朝日に光輝き、飛沫（ひまつ）を上げている滝の姿からその名が付いたと言われているそうです。公園内には、朝日小滝もありましたが、残念ながら水が流れていませんでした。公園からは、普段見ている富士山とは形の違う富士山も見えました。巨大な石の上に祀られた石仏は、何の神様かは分かりませんでしたが、とりあえず健康を祈願。

　今回の取材で、朝日滝には金・土・日と合計三回訪れましたが、人と出会ったのは一度きりでした。こんなに素敵な場所が、なぜこれほどマイナーなのか、本当に不思議です。是非一度足を運んでみて下さい。