富士宮市、田貫湖北岸の高原地帯に広がる小田貫湿原は、富士山地域で唯一の湿原です。「静岡の自然１００選」「ふるさといきものの里１００選」にも選ばれているのですが、地元の人にはあまり知られていないようです。

■ 蝶・トンボの楽園

　周囲約９００メートルの湿原は、深い森で囲まれていますが、ここだけは別世界のように開放的な景色が続いています。大小１２０を越える池が点在し、珍しい昆虫も多く生息。特に蝶は約七〇種、トンボは約三十種が生息しているそうです。実際、多くの蝶やトンボがいましたが、残念ながら写真に収めることはできませんでした。

■ 木道を歩く

　湿原の東西を貫くように走る木道を進むと、多くの湿原植物を間近に観察することができます。すばらしい景観に思わず「ここが富士宮だ」ということを忘れてしまいます。

■ 自然の織りなす交響曲

　小田貫湿原は、視覚的にも感動しますが、最も感動的なのは『音』です。風に揺られる草花の隙間を縫って聞こえる小鳥の歌声や虫のコーラスによるオーケストラは、地球上に存在するどんな交響曲よりも素晴らしいと言えます。

　３０分〜１時間程度で堪能できる湿原で、心と体を癒しましょう。

小田貫湿原には、珍しい植物や昆虫が生息していますが、採取・捕獲はしないでください。かけがえのない自然を破壊しないよう、ゴミなどは必ず持ち帰り『ルールとマナー』を守りましょう。