北山本門寺は、日興門流の五つの有力本山(富士五山)の一つとして知られています。正式呼称は『法華本門寺根源』、山号は『富士山』、通称は『重須本門寺』です。
■ 本門寺
「富士一跡門徒存知の事」によれば、寺塔を建立する景勝地は富士山であり、そこに建立されるべき根本の寺が『本門寺』であるとされています。つまり、日蓮宗にとって『本門寺』という名称は、日蓮の教えの中心であり「根本中の根本」を意味する特別なものと言えます。ですから、本門寺を建立することは、日蓮の遺志を継ぐことでもあるのです。
■ 日興
北山本門寺の初代の住職である日興は、日蓮の弟子で、日蓮六老僧の一人です。日蓮正宗など富士門流では日蓮の唯一の正統な後継者と見なされており、白蓮阿闍梨と称されています。
■ 北山本門寺
日興は一二九三年に、石川能忠の寄進をうけて北山に重須談所を設けると、同時に、本堂・御影堂・垂迹堂の建設にとりかかり、五年後の一二九八年に落成。日興は晩年の三十六年間を重須談所で過ごした。
境内は、日興上人お手植の巨杉も現存するなど、七百年の歴史が漂います。
※富士五山
日興門流の五つの有力本山(上条大石寺・北山本門寺・西山本門寺・小泉久遠寺・下条妙蓮寺)の総称。