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「たねから見える私たちの未来」 No2 239


2023-02

 第一話では、市場に流通する野菜の約90%のたねは海外で採種されたものでそのほとんどが交配種(F1種)で優等生なたねである事をお話ししました。でもその交配種のたねには欠点もあるのです。皆さんはメンデルの法則って聞いた事ありますか?メンデルは19世紀のオーストリアの修道僧で、修道院の庭でエンドウを栽培し、遺伝の法則を見いだしたとされています。表面がつるっとして丸いエンドウと、しわの寄ったエンドウをかけ合わせる(交配する)と、最初の世代はすべてつるっとして丸いエンドウができます。これを優劣の法則と言います。ところが、たねを採って翌年蒔くと2代目は形質が揃わない現象が起きます。これを分離の法則と言います。交配種からたね採りしてもバラついてしまうという欠点があるので、生産農家さんは毎年たねを買うようになったのです。

 その一方で在来種や固定種といったたねを繋げることの出来るたねは年々減り続けています。何故でしょうか?在来種や固定種は交配種のように、発芽が揃って、成長が早く、全て形が揃い一斉に収穫できるという特性はありません。バラバラに発芽して成長もそれぞれ違い、収穫もバラバラになるという、生き物としては自然な特性なのだけれども、農家さんにとっては都合が悪くなってしまったわけです。現代農業では生産性と効率性が求められるので、そのなかで生き残ることが難しくなってしまったのです。しかし、在来種や固定種には、交配種には無い魅力や、私たちに大切なことを教えてくれる何かがあるのです。(次回へ続く)
穫もバラバラになるという、生き物としては自然な特性なのだけれども、農家さんにとっては都合が悪くなってしまったわけです。現代農業では生産性と効率性が求められるので、そのなかで生き残ることが難しくなってしまったのです。しかし、在来種や固定種には、交配種には無い魅力や、私たちに大切なことを教えてくれる何かがあるのです。(次回へ続く)