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安沼用水隧道と命穴【2010年3月号No.84】


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■ 隧道計画

 芝川の水を、芝川町西山から安居山まで引き入れた安沼用水隧道は全長一五五〇mの隧道で、安居山・沼久保地区を潤す用水として非常に重要な役割りを果たしてきました。この用水は、一八四八〜五四年に領主旗本駒木根氏によって計画されましたが、安政の大地震によって遺棄。一八七〇に静岡藩士門田退蔵と山川伊十郎によって再起されましたが、資金不足により再び中止。一八九二年に安居山・沼久保・大中里の有志者が起工し、一八九五年にようやく隧道が貫通しました。しかし、工費支払いの都合で水利権が小野金六、東京電力へと移り、地元のものとなったのは昭和二十一年のことです。

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■ 命穴

 案内をしてくれた佐野さんの敷地である竹林の中には二つの命穴(空気穴)があります。文献によると、安政の大地震による落盤事故で十六名が生き埋めとなった際、命穴から脱出し全員無事に救助されたと記されています。一つ目の命穴は想像以上に大きく、見た瞬間心が奪われました。


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■ 見学のルール

 当時会津から招いた技術者の六代目である佐野さんは、農業の傍らこの用水を守っています。命穴は敷地内にあるため、見学を希望される方は、必ず許可を得た上で行動してください。
※四月三日には、水神さんのお祭り があります。

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