■ 地下鉄珍道中

　文字が読めない不便さから、文字を読まないという作戦に変更し、モスクワの地下鉄珍道中『ぶらり途中下車の旅』が始まった。ピロシキを食べたり、マーケットに行ったり、気の向くままにモスクワを満喫。多くの人が下車する適当な駅で降り、その周辺を散策するという試みは、結構楽しかった。中でも思い出深い出来事は、マーケットの様子を撮影していたら、店のおじさんに怒られ、追いかけられたことだ。無我夢中で逃げたが、写真を撮っていただけで追いかけられた理由が未だにわからない。

■ ホンダ販売店

　日本車も多く見受けられるので、近くにホンダの販売店があるのでは？と考えた。ホテルに戻り問い合わせたところ『近くにあるから車を手配しようか？』との返答。お願いすると、道端の兄ちゃんを捕まえて何やら交渉している。そして『彼が○○ルーブルで行ってくれるから』と言う。こうして、見ず知らずの兄ちゃんに乗せられてホンダの販売店に行くことに…。たわいもない話をしながら販売店に着くと、想像以上に大きくキレイでビックリした。対応も良く、時間をかけてくまなく見学させて貰った。その後、最寄りの駅で降ろしてもらい、周辺を散策。モスクワ郊外の街並みは、何となく中国に似ていると感じた。

■ イカれた日本人

繁華街に戻る頃にはすっかり夜になっていた。カジノにも行ってみたが、ゲーセンのようでかなりショボかった。裏通りに入ると、やばそうなエリアに迷い込んでしまった。イカれた若者がたむろしているのを横目に、心はビクビクしながらも、見た目は堂々と歩いた。しかし、二人組みの男に絡まれてしまい、絶体絶命な状況に陥った。勢いよく捲くし立てられ、お金やパスポートを要求されたが日本語で応戦。イカれた日本人を演じきり、ロシア語と日本語での一触即発の口論の末、何とか窮地を脱した。
　ぶらり途中下車の旅は面白いが、テレビのようには行かない。危険エリアではくれぐれも気をつけよう！