■ ロス留学

　今から約十年前の大学三年の夏休みに、ロサンゼルスのＵＣＬＡに一ヶ月の語学留学をした。希望に満ちたロスでの生活は、甘く切ない思い出となった。

■ ＵＣＬＡ

　ＵＣＬＡは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の略で、僕と同じような短期留学生の数も多く、世界各国から英語を学びに訪れる。寮では、フランシスコというイタリア人と相部屋になった。彼は、寮に戻って来ることはほとんどなく、いつも外で遊び回っていた。学校で彼に「何故帰って来ないのか？」と質問したが、「イタリア人は皆そうだよ。」との返答が帰ってきた。イタリア人と相部屋である別の部屋の友人に聞いてみたが、やはりほとんど帰って来ないらしいので、それがイタリア人なのだと納得することにした。

■ 休日に語学力アップ！

平日は毎日学校で英語を学んだが、週末はクラスメイト達と出かけることが多く、メジャーリーグ・ユニバーサルスタジオ・ビーチ・グランドキャニオンなど、ロスを満喫した。正直言って、学校で英語を学ぶよりも、友達と出かけて英語を話さなければならない環境に晒される方が、語学力が身につくと感じた。その友人とは学校で知り合ったのだから、文句も言えないが・・・

■ 甘い誘いに隠された罠
ある日、街をふらついていると、留学生にロスを案内するのが趣味だと言うおじさんに声を掛けられ、ハリウッドサインが見える場所やグリフィスパークなどの有名どころはもちろん、地元民しか知らないような場所まで、ロス中を高級車で案内して貰った。その後おじさんの住む超高級マンションに行き、得意の料理をもてなしてもらい、ワインで乾杯。しばらくすると異変に気がついた。おじさんがしきりに言い寄って来るのだ。心臓が止まる思いで誘いをかわしながら、隙を見て外に飛び出した。しかし、そこがどこなのかもわからず、途方に暮れ、やっとの思いでタクシーをゲット。ロスで学んだ一番の教訓は「甘い誘いには絶対に乗るな」という事だ。