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発達  色とりどり

放課後等デイサービスcococolor 富士宮

■色とりどり2 【2017年4月号No.169】

始めて出合った時の話。
その女の子のことを知ろうと、ありきたりなこんな質問をしてみました。「好きなものはなぁに?」食べ物のことなのか、遊びのことなのか、勉強のことなのか、抽象的でどんなことを質問されているのか判断に迷うようなこの言葉に対して、迷うことなくこう応えました。
「私は色が好き。」「じゃあ、何色がすきなの?とすかさずたずねると、笑いながらも迷った様子で、「色が好きなの。全部好き。」この答えに違和感を感じてしまうのは私だけでしょうか?相手がどんな答えを期待しているのかなんてお構いなしですし、質問の正解を出そうなんて気は全くありません。しかも好きなものと聞かれて、「色」とは・・・。確かに彼女は描くという事より、色づけることに興味があるように思え、何を描くというより、視覚的に入ってくる色を重視しているのです。それは、彼女と付き合っていく中、徐々に理解できるようになってきました。
他者との関わりを苦手とする彼女は、独自の世界観を持ちます。それは、他人が土足で入り込み、身勝手に壊すことはできません。自分なりのルールがあり、他者と合わせることが苦手なのです。放課後等デイサービスを利用するようになって、他者との関わりに少しづつ変化が見られるようになりました。もともと本を読むことが好きだった彼女は、いつもお気に入りの椅子で、一人で読書をします。集団療育の時間でも本を読みたければ、一人で読みます。集団に入ったり、他者と関わることがありませんでした。でも、今は低学年を膝に座らせ、絵本の読み聞かせを行っています。自分の気持ち
を優先させ、他者を受け入れることが苦手だった彼女の心の変化に日々驚かされます。


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